みなさま、こんにちは。
随分お久しぶりでございます。
前回の更新から4か月・・・
4か月っ!?
いやはや、と、時の経つのは早いもので・・・。
猛暑続きの今年の夏。現場ではクーラーもないので、熱中症に気を付けながら日々お仕事させていただいてます。
さて、今回は「大工さんのあれこれ」と題しましたが、なんのことはない大工さんトリビアです。
みなさん「大工」と聞いて思い浮かべるのはどういった姿でしょうか。
よくあると思っているのは、釘を数本口にくわえている姿。
実はあれには口にくわえる理由があったのです。
一つは作業性。
大工さんは基本的に「腰袋」と呼ばれる袋を腰に下げています。
そこに玄翁(げんのう)や釘などを入れて仕事をしています。
単に釘を続けて打つのにいちいち腰袋から釘を出すより、手元に近い口から釘を出すという理由。
もう一つは釘の引き抜き防止。
釘は基本的に鉄製で口にくわえることにより多少の唾液がつきます。
それを打ち込み、材料を止めつけるわけですが、木材は気温や湿気などにより伸縮するものなので、極稀に引き抜けてしまう場合があります。
口にくわえて唾液をつけることにより打ち込んだ後に釘に錆が発生、木材に強固に食いつくのです。
親方曰く、昔は今のような乾燥材ではなく生木を使っていたこともあり口にくわえずとも自ずと錆が発生していたようです。
みなさんも一度は錆びた釘を抜く場面に遭遇したことがあると思いますが、非常に抜きにくいと思います。
なるべく強固に止めつけられるように考えられた先人の知恵ですね。
現在では高性能、高品質の釘が使われますし、釘に発生した錆により釘自体のせん断力が失われるなどから、大工さんが口に釘をくわえる姿はなかなか見られなくなりました。
ですがDIYであるとか日曜大工の際に口に釘をくわえ、止めつけてみてはどうでしょうか。
※口に釘をくわえる理由には諸説あります。